Football is Like a Life!!

地域の小学生サッカーチームのコーチしてます。 「サッカーについて」「指導について」 もっと深く深く熟成させたい!そんな想いで書き綴っているブログです。Enjoy Soccer Life!!

ゲームモデルについて

f:id:pasta_32:20210310212140p:plain『息子が所属するU12サッカーチームを大会で勝利に導く』という目標について、1年前に改めて考えてみたことがあった。

 

…自チームを分析すると、実力は地域で中の下程度。攻撃力を備えた選手は居るが、上位チームに勝つ為には守備力が足りない。さらに6年全員で9名…うち4名の受験生が長期離脱のため、6年生はたった5名…5年生と一緒に活動をせざるを得ない状況だった。この小5と小6の差が馬鹿にならない!特に体格差は大きな開きがあり170cm超えの6年生と140cmの5年生が所属する凸凹チームで始動することになった…

 

個々の能力に差があるチーム、戦力が地域の平均以下の実力のチームで、勝つ為にまず何をすべきか…と考え、出した答えが『守備組織のレベルアップ』。その為に、守備に楽しく取り組める素材を探しはじめ、辿り着いたのが『枝D』。攻撃については教えられるが、守備テクニックのイロハはほぼマンマークでくっつく!のみだったので、枝Dを学習することにより、奪い方の基礎が私の頭にインプットされ、徐々にゲームモデルについても意識するようになってきた…この辺りの話は前回の記事「守備にハマってます。」と重複するので割愛。

pasta-32.hatenablog.com

  …今思うと体格差は大きな問題ではなく、チームの『準備』次第で望む結果が手に入るし、ジュニアサッカーチームにとっては、出てきた『結果』以上に『過程』にこそ真の価値があると、今では自信を持って断言できる。そしてその『準備』についての資料がついに完成!カッコよく言えば『ゲームモデル』というものである。

 

ゲームモデルとは…
▶︎チームが目指す試合の進め方の「説明書」と言える。
▶︎4つの局面について基準を共有し、スムーズなチームプレーを実現。
 4つの局面=攻撃/守→攻の切り替え(ポジトラ)/攻→守の切り替え(ネガトラ)/守備
▶︎プレーの自動化による「戦術的疲労」(脳の疲労+全身疲労)の軽減効果あり。
▶︎ゲームモデル実現の為の行動規範として「プレー原則」を設ける。
▶︎「ゲームモデル」→「プレー原則」→「準原則」…というヒエラルキー構造。
▶︎あくまで「基本のプレー」の基準であり、絶対的強制力は持たせない。

 

20ー21 ゲームモデル設定の前提条件
▶︎理想のチーム:川崎フロンターレ(攻守共に組織化されている印象)
▶︎チームの現状:主要大会の決勝ラウンドへの出場頻度は低い。
▶︎12期の特徴:高い攻撃力を持つ反面、守備力が低い。個人の能力頼み。
▶︎結論:個人に頼らない組織的な守備の整備を進めながら攻撃の機会を増やし、ゴールを重ね勝利できるチームを目指す。

 

20ー21 ゲームモデル
▶︎守備も攻撃もワクワクするような楽しいプレーをする。
▶︎「利き足切り」「マンマーク+プレス」を駆使し、守備で優位に立つ。
▶︎ポジトラの判断を迅速に行い、有効な攻撃を選択し得点を狙う。
▶︎全員が試合に出場し、最後まで勝利を、ゴールを、ボールを諦めない。
▶︎戦術的要素:マンマーク、プレス、カウンター、オープンワイド、ポゼッション
▶︎フォーメーション:1-2-4-1、1-2-3-2

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ゲームモデル導入の効果
▶︎プレー原則により全選手が役割を理解し、迅速に行動できるようになった。
▶︎ゲームモデルを基準とした仲間同士のコミュニケーションが生まれた。
▶︎相手の攻撃を制限できるようになり、1年前は負けていたであろう相手に対して、
 失点を抑えるだけでなく、試合の主導権を握れるようになった。
▶︎選手の判断力・自主性・モチベーションが向上した。
▶︎攻守に渡り、選手が100%の力を出せるようになった。
▶︎指導者のサポートなしにゲーム運営ができるようになった。

 まだ読みかけだが、コレを読んでいたら今まで積み上げてきたものが整理整頓できた。この1年の取り組みの集大成としてゲームモデルを作成できたのは、ずっと感覚的・断片的に進めてきた活動を言語化できたという意味で大きな財産だと言える。

 

そして選手達にとっても、最後の1ヶ月間で参加した複数の大会での経験は、とても有意義であったと、起こった現象を見ても判断できます…フォーメーション設定、メンバー選考、戦術修正などのチーム運営が選手主導で公平にできるようになったり、以前は格上相手の試合で諦めていたが対等に戦えるようになったり。エースの活躍の影に隠れていた選手達も躍動感あふれるプレーができた。試合中の声がけが選手間で増え、コーチはほぼ黙っていた…などなど、心身共に成長できた期間だったと思う。

 

世界中が未曾有の危機の中にあるこの一年…そんな中でもフットボールができる喜び。
世間には不要不急と言われるかもしれないけれど、
やはりフットボールは私の人生の一部であり人生の縮図である。

 

 

 

Enjoy Soccer Life!